職場の連帯責任と聞いていいイメージを持っている人はほとんどいないでしょう。
連帯責任とは、多数のものが共同で責任を負うことです。
罪もない人に罪を負わされるイメージがあります。
もし社員の失敗を会社自体も負うという連帯責任であれば、問題にはなりません。
集団生活するうえで、連帯責任は割と身近に存在しています。
あなたがしっかり仕事をしていたのに
他人の言動で制約されてしまうのは納得いかないことだと思います。
職場で理不尽にも連帯責任を負わされる原因
負わされてしまったときの対処法を中心にお伝えしていきます。
目次 関連
職場の連帯責任に理不尽を感じる・・
連帯責任を理不尽に感じる、おかしいと考える理由は以下のとおりです。
・罰するのに法的根拠がない
・不公平
・合理的でなく、感情的に感じる
・デメリットのほうが多い
社員が起こした不祥事に多数が懲罰を加えられる場合に不満が起こります。
一部の人が発生させた不利益をその他大勢の人がかぶることになるので不公平さが指摘されています。
連帯責任はデメリットが多いと認められているのに、
連帯責任を求められるのは合理的ではないと感じるでしょう。
連帯責任のデメリットとして以下のことが挙げられます。
・真面目な人が損をする状況
・お互い監視しあう、意欲の低下など職場の雰囲気が悪くなる
・失敗した者に制裁する
学校教育、職場において連帯責任のデメリットを実際に経験している人も多いはず。
個人の自発的な責任感からでなく集団から強制的に責任を求められることも
理不尽さを感じる理由でしょう。
個人として尊重されていないのではないか考えて、悲しくなりますよね。
職場の連帯責任ってパワハラになる?
職場の連帯責任はパワハラにつながる可能性があります。
パワハラとは、職場で以下のようなことが行われた場合のことです。
・身体的な攻撃
・過度な叱責など精神的な攻撃
・特定の人を無視したり、仲間外れにするなど人間関係からの切り離し
・過大な要求
・仕事を与えないなど過小な要求
・職場外まで監視するなど個の侵害
連帯責任を理由に懲罰を与えた場合など不法な行為が問題になります。
失敗した社員を集団で仲間外れにしたり
お互いを過剰に監視しあうといった場合はパワハラになります。
パワハラだけが問題ではありません。
一人が失敗したら、皆が給料天引きがあるというのは実は労働基準法違反なのです。
ただし、連帯責任という言葉がパワハラという意味ではありません。
法律でも連帯責任という用語がありよく使われる意味と違っています。
たとえばパワハラを社員が行った場合企業は「連帯責任」で罰せられるのです。
必ずしも連帯責任がパワハラになるとは限りません。
職場で連帯責任を負わされる理由と連帯責任のメリットは?
職場で連帯責任を負わせる理由やメリットをまとめると以下のとおりです。
・組織の管理がしやすい
・仕事へのやる気を引き出すため
・自分の失敗などに他の人を巻き込まないよう努力する
・互いにカバーしあい補うことによってチームワークが生まれる
つまり管理運営をしやすくするためなのです。
やる気が全くない組織においては、有効といわれています。
「みんなはひとりのために ひとりはみんなのために」という
強いチームワークの結成を期待しているのです。
日本においての連帯責任は、江戸時代の「5人組」が起源といわれています。
近所同士で監視をし、連帯で責任を負わせたのです。
昭和時代の「隣組」がその性質を引き継いでいます。歴史的には効果があったのでしょう。
連帯責任を負わされるのって日本だけ?
「連帯責任」は日本だけではなく海外でも存在しています。
英語でも連帯責任という言葉は存在しているのです。
個人主義の国でも、チームスポーツや軍隊などでよくみられるそうです。
オーストラリアでは教育で組み込まれている連帯責任について、
あまり利点がないという研究結果2019年にでました。
オーストラリアの教育現場でもよく使われる手法のようです。
連帯責任のデメリットは海外でも話題になっています。
日本の学校生活において連帯責任を経験しているので、
集団からの圧力に嫌気をさしている人も多いでしょう。
集団圧力に弱い集団である原因に、連帯責任を考える人もいます。
今後連帯責任のデメリットが多いと感じる人が多くなれば、
世の中の価値観が変わってくるでしょう。
職場で連帯責任を負わされて気持ちが悪いと思ったときの対処法
仮に連帯責任がデメリットだけではないことがわかっても、
理不尽なので耐えられない人もいるでしょう。
特にパワハラや違法性のある懲罰が認められる連帯責任は問題です。
労働基準監督署など関係機関に訴える方法もあります。
とはいえ職場と戦うのは避けたい人も多いはず、
連帯責任が原因で耐えられない雰囲気になっていても、
あなた一人の力だけでは社内を変えることは難しいですよね。
変える努力をしても、変わらないことがわかっているのであれば、
あなたに残るのは苦痛だけです。
連帯責任に耐えられないようでしたら転職や退職も検討しましょう。
連帯責任を負わせない企業、連帯責任が関係ない働き方は存在するからです。
連帯責任以外の方法で社員のやる気を引き出す企業は他にあります。
あなた自身が起業するフリーで仕事をするといった方法もあるのです。
企業も労働者が嫌がることをやって、労働者が多く逃げ就職難におちいれば倒産します。
あなたの行動が世の中の価値観を変える一歩につながるかもしれません。
まとめ
連帯責任はメリットもあります。しかしデメリットが大きすぎで、納得いかない人が多いでしょう。
今回調査した中では、デメリットを主張する声のほうが多いと感じました。
真面目にやっていても責任を取らされたり自発的な意思に反して強制されたりするからです。
職場の雰囲気が悪くなる可能性がある上に違法行為が行われる場合さえあります。
時代の価値観は変わっているので、不当な連帯責任は今後減少していくでしょう。
しかし、現代では未だに連帯責任が存在しているのです。